K鉱山は主にドロマイトという資源を採掘していた。
あまり聞きなれない鉱物であるが、我々の生活には近い存在の資源である。
鉄鋼や建築用壁材 、ガラスや肥料、意外と広い分野の資源として用いられている。
ドロマイトは白雲石とも言い石灰石に近い資源で、セメントの原材料としても使用される。
猛暑に襲われた2007年夏、異質な空気が立ち込める廃墟。その空気が心地よく感じる
時がある。坑道からは天然の冷たい風が暑くなった体を冷やす。
夏の廃墟の障害は、暑さと虫と藪や臭いなどである。今回のこの鉱山は暑さのみが堪えたが、その暑さも坑道の冷たい風で癒された。ここ単体の規模はそれほど大きくはないが、この山周辺には各所に坑道があり、それぞれ違った趣がある。どれも日々急速な崩壊を辿っているこの鉱山施設は、いつなくなってもおかしくない状況にある。冬を越えるたびに変化を遂げてきてはいるが、風雨や雪によってなくなってしまう人工物に対して、改めて自然の力の凄さを感じることができる様な気がした。
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