主観的感想になって申しわけないが、もうちょっと、こう……工夫できなかったものか?
温度と湿度と素材によってカビの発生量が変化する。
そして、見た目にもヤバそうな畳。
暗く、湿度の高い場所はカビの発生率が飛躍的に増加する。
しかし、布団がそれほど被害を受けていないのは、やはり生息する為の素材も深く関係する。
山々に囲まれたこの場所は、日照時間が比較的短い。
建物は、人の手が入らないとすぐに廃れていく。
廃れる速さは環境によって異なるが、人がいなくなるとその魔の手はすぐに建物を飲み込んでいく。
押し迫る様な立体感。
1990年代。この時代の廃墟は多い。総量規制により長銀や拓銀といった大手銀行が破綻、当該銀行をメインバンクとしていた企業も次々に倒産していった。バブルの崩壊である。これによって引き起こされた景気の後退の影響は急速に広がり、バブル期に乱立したホテルやレジャー施設なども次々に倒産していった。建設の途中や完成後にオープンする事無く閉鎖された場所も少なくない。しかし、経営側も指を加えて見ているわけにもいかない。加速する景気後退になんとか立ち向かおうと努力する。不要な物の排除、経費節減など合理化を図った。そこに生まれた副産物として廃墟が存在する。廃墟になる過程は様々あるが、この景気後退によって生まれた廃墟も数多い。このJ学園の施設は、バブル期後半を最後にその稼動を止めた。国民がバブルで浮かれていた時代に、先を見越してとった対策なのかもしれない。
TOP