再建計画から3年8ヶ月。当該証券会社から以下の文章が発信された。
「関係者と今後の三洋証券グループの建て直し策について協議を進めてきたが、これ以上の経営改善計画の遂行は困難との判断に至り、関連ノンバンク等について法的な措置をとることとした。この結果、三洋証券による関連会社への与信の毀損等により、通常の事務の継続が困難となったので、法的枠組の中で会社の再建を図ることが適当と判断し、営業の一部休止を決定するとともに、本日付けで東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請することとした。また、同時に、顧客の損害を防止するために、外部からの資金繰りにより顧客資産の返還に万全を期すための保全処分の申請を行なうこととした。」
1997年11月3日、会社更生法の適用を申請。
この余波を受けて、かろうじて資金をやりくりしていた北海道拓殖銀行が1997年11月15日に経営破綻、11月24日には四大証券で「飛ばし」による多額の簿外債務を抱えていた山一證券が自主廃業することになった。
※飛ばし : 含み損を抱えた資産を簿価で他社に売却した形にして損を表面化させないようにする簿外債務。多くの場合は決算期を過ぎた後に同額+αで買い戻す特約をつける。
翌年の日本長期信用銀行・日本債券信用銀行などと共に事態は一気に金融恐慌の様相を呈してゆく。
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