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F楽苑
陽はまだ浅い
山ではセミが鳴き続け、道路には蛇がうねり、巨大なムカデが山肌を滑る。
車を置いて舗装された道を10分ほど歩き、山の入口にさしかかる。
轍ができている砂利道を、軽快に進む事5分。 その様子は一転した。
目の前を藪が覆い尽す。
夏の藪は想像以上である。
触れなくても、アレルギー体質の人は近くを通っただけで反応がでてしまう。
別のルートを通ることも考えたが、そちらは通称「勇者ルート」
誰にも見つかる事はないが、もっと険しい道を歩き山ひとつ超えなくてはならない。
残念ながらそこまで冒険はできない。
幸いにして、私はアレルギー体質ではないので、漆を直接肌に擦り込まれない限り問題はない。
歩く事20分。 階段の様なものが足元に見える。
この階段を上がれば廃墟に辿り着く。 ……はずだった。
またしても行く手を藪が遮る。
前日降った大雨の所為もあり、足元はぬかるみ、服は雫と雨でビッショリ。
戻るにしても同じルートで戻らなくてはいけない。
行くも戻るも同じなら行くしかない。
藪を掻き分け、足を滑らし、
更に歩き続けるとようやく建物が見えたが、なんぞこれ?
その廃墟の施設だというのはわかるのだが、用途不明。
崩れた小屋があっただけだ。
しかし、建物があるという事は目的の場所は近い。
くたびれていた足も、その疲れを忘れ前に足が出るようになった。
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